失礼します。
2っちぇJAPANのリーダー
しゃあtheSkywalkerです。





セミの幼虫は
土の中で数年間過ごしています。

晴れて外に出られるのは
成虫になってからの
数週間だけ。



生涯の最後、僅かな期間に
子孫を残すため
相手を見つけます。



舞台は
そんなセミが鳴く
夏の真っ盛り。


とある病院の中で
知り合った

2人の男女の物語です。












ミーン ミーン ミーン



連日の猛暑により
少し体調が良くなかったけど

今日は幾分、調子が良い。



僕はスマホでラジオを
聞きながら
外の空気を吸いに出た。



病院の裏手には
ちょっとした茂みがあり
散歩道も作ってある。




ラジオからは
高校野球の実況が
流れていた。



もう準決勝か…


野球か…いいな。
またやれる日が来るのかな。



そんなことを考えながら
強い日差しの中を歩く。


茂みに近づくにつれ
ラジオの音は
セミの鳴き声によって
かき消されていた。




「あきよし君」



散歩道の横にある
ベンチから
僕を呼ぶ声がした。



「どうしたの?散歩?」


「うん、ちょっと気分転換に」



この子はマキちゃんという
確か僕より3つ歳下の
23歳の女の子。


先月くらいから
この病院に入院している。




一目惚れだった。



お互いクラクラをやっていたので
すぐに仲良くなった。


実を言うと
マキちゃんがいることを
期待して散歩に来たんだ。




恥ずかしながら
僕にとって初めての恋。


だから気持ちの伝え方が
いまいち分からない。





「あきよし君、
私ね、とうとうth9に上がったんだよ」



無邪気に笑うマキちゃんは
とっても可愛いかった。



「そっか。おめでとう!
僕もまだ上げたてだから
追いつかれちゃったね」



「あきよし君
今度フレチャしようね♪」



嬉しかった。
ずっとフレチャを誘いたかった。
マキちゃんから誘ってくれるなんて。


でも…

素直に喜べなかった。




「実は僕さ…あした手術なんだ」



「え、そうなの?」




明日は手術の日。

大袈裟かもしれないけど
僕にとって運命の日。

怖くない訳がない。




「明日の手術、
とっても怖いんだ」



「あきよし君、大丈夫だよ」




「もしも…。って思うと」



「そんな事ないよ!
絶対成功するって!
私も祈ってるから!勇気出して!」



「うん、ありがとう」




マキちゃんから
こんな風に言って貰えて
勇気が出てきた。



恋の方も
少し勇気を出していこう
と思った。




「マキちゃん、
もし明日の手術が成功したらさ…」



「うん」



「僕と一緒にクランを
立ち上げませんか!」





今迄鳴いていたセミの声が
一斉にやんだ。




「僕の支えになって下さい」




僕にとっての精一杯。
恋の告白とは
捉えてくれてないかも。


でも
少しずつ前進出来ればいいや。




「分かった。協力する♪
その代わり明日の手術頑張ってね!」



「うん、絶対成功させる!
マキちゃんの為にも頑張るね!」



「もう!私の為にってww
患者さんの為にでしょ!」



「そっか、そうだよね。
医師として不謹慎だったかな?」



「ホントよ。もう」



マキちゃんは
呆れた顔をしていたけど

何だか前より
仲良くなれた気がした。




医師としての道も
マキちゃんとの恋も


明日、絶対成功させてみせる。




今年の夏は
まだまだ暑くなりそうだ。












以上で失礼します。


お相手は
しゃあtheSkywalkerでした。