(前回からの続き)



高校時代の私は
今と違って地味な生徒だった。


クラスに友達も居なく
目立たない存在。


男子たちが私の事を
影で「乳女」と呼んでるのも
知ってるの。



でも
こんな私に対して

赤嶺クンは
優しく笑顔で接してくれた。



それまで
恋愛なんて縁もなかったけど
初めて好きになった男性だったの。



明るくて格好良くて
男子からも女子からも好かれる
クラスの人気者。



私の片思いなんて
実る訳ないと思ってたけど、

少しでも笑顔が見たくて
何度か頑張って
話しかけてみたりしてみた。


他の子の目が
気になったりしたけど

赤嶺クンと話してる時間が
とっても幸せだったの。


いま思い出すと
あの時の自分を
褒めてあげたいな。






赤嶺クンは
積極的な私に対して
嫌な顔をせず接してくれた。

むしろ
向こうからも
話しかけてくれるくらい
仲良くなれた。



「ねえ、いつかさぁ
2人で遊ぼうよ」



いつしか会話の中に
こんな言葉が出るようになったの。


嬉しかった。
夢のようだった。


ずっと一緒に居たい気持ちが
どんどん湧いてきちゃった。








初めてのデートだったから
凄く緊張したのを
今でも覚えてる。


何処に遊びに行くか
お互い中々決められず
結局、赤嶺クンの家に
遊びに行ったの。



雑誌をいっぱい買って
目一杯オシャレをして行ったんだけど
あまり意味が無かったのかも。


だってさ
すぐ脱がされちゃったんだもん。


少しくらい
「服装、可愛いね」とか
言って欲しかったな。


でも
赤嶺クンと1つになれた
喜びに比べたら

そんなの
どうでも良かったの。








その日以来
何度も泊まりに行った。

ずっとずっと
一緒に居られて
とっても幸せだった。



学校でも手を繋いだりとか
したかったけど
我慢したの。


赤嶺クン人気者だから
迷惑かけちゃいけないと思って。



ホントは
皆んなに言いたかった。


「私達、付き合ってるんです!」
って。










「赤嶺〜!お前最近
乳女と遊んでるみたいじゃん〜w」



放課後、
廊下を歩いていた私は

教室の中から
こんな声が聞こえてきた。



男子たちが数人
残ってたみたいで
赤嶺クンも居る様子。


私の事を
話している感じだったから
思わず盗み聞きをしてしまった。


「えっ!マジで〜w
赤嶺お前、乳女と遊んでるの〜ww
もしかして付き合ってるとか?笑」


「ギャハハ!
キモ〜!赤嶺キモ〜!」



いざ実際に
私の悪口を聞くと
やっぱり辛かった。



「おい!やめろよ〜w
俺があんな地味な女と
付き合う訳ねえじゃん〜w」


赤嶺クンは
皆んなの前だから
隠そうとしてるんだ
と思った。


でも
次の言葉で
私は耳を疑った。



「お前らも乳女誘ってみろよ〜
すっげー簡単にヤレるぞ〜w」










赤嶺クンの本心は違うと
私は信じていた。


男子たちの手前、
強がって見せただけだと。


だからその後も
誘われるたびに
何度も泊まりに行った。


私はそれでも
幸せだったの。




しかし少しすると
赤嶺クンに彼女が出来た。


相手は私達と同じクラスの
イケてる女子。


皆んなの前でも
はばかる事なく
ラブラブだったの。


当然、
私は納得出来なかった。


赤嶺クンにとって
私はどんな存在だったんだろうって。



2人になれるチャンスを見つけて
話しかけてみた。




「赤嶺クン、彼女出来たんだ…」



「え?
あ、うん…彼女出来た」



悪びれる感じもなく
言いにくい感じもなく

普通に認めた。




「そっかぁ…おめでと〜
じゃあ私もう泊まりに
行かない方が良さそうだね〜」



自分の中で
精一杯強がった言葉だった。



「うん…まあそうだな。
その方が良いね。
あ、でも折角仲良くなったんだから
最後に1回だけ泊まりに来いよ〜」



赤嶺直樹は最低な男だった。






初めて好きになった人は
最初から私の事を
何とも思ってなかった男だったの。



好きだった想いの大きさ
信じていた想いの強さが


そのまま
ある想いに変わってしまった。




イツカ、フクシュウシテヤル…








続きます!


お相手は
しゃあtheSkywalkerでした!